• 栃木県栃木市の御菓子司、創業延宝元年『松屋』
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ちょうちょ
2012.05.01


風薫る、五月ー

 

若い葉と葉が重なり、交わりあって結ばれたような形に見えることを「結葉(むすびば)」といいます。

さやさやと優しい音をたて、5月の光を透かして揺れる結葉…。

万葉人たちと同じ自然のアートを見られる贅沢に浸った気持ちになれる、大好きな季節です。

ところで、万葉といえば…

気づかれている方も多いと思いますが、万葉集の歌の中にはなぜか「ちょうちょ」が出てきません。

古今和歌集にもやはり、蝶は出てきません。

ずっと昔からいたはずなのに、どうして蝶々は歌われなかったのでしょう。

卵から幼虫、幼虫からサナギ、やがて成虫として蝶になり飛び立っていくをみた時…

いにしえの人は、そのひらひらと舞う美しい姿と、幼虫と成虫の間のまったく異なる姿に、

生まれ変わりの不吉さを感じたのではないでしょうか。

それ故、あえて万葉集でも古今和歌集でも詠まれなかった…と。

であればその逆に、生まれ変わることを心の拠りどころとしていた人がいたはず。

それは、武家の人々。家紋がそれを物語っています。

中でも、家紋に蝶々を使った代表的武士団は平家だといわれています。

蝶々の種類より、蝶々の家紋の種類の方が多いとさえいわれているのですから、驚きですね。

   

 

 

   優雅に羽をひろげ、しなやかに舞う蝶々の季節がやってきました。

 

 

 

江戸しぐさ
2012.04.20


当店の創業は延宝元年、江戸時代。

その江戸時代に、人口100人もの大都市だった江戸の町で、商人道からはじまりやがて江戸の人の

暮らしの基本となったのが「江戸しぐさ」。

江戸しぐさは、現代の生活にも役立つヒントに溢れています。

例えばー

「もったいない大事」しぐさ。読んで字の如し、「もったいないから大事にしましょ」というもの。

世界中で知られている日本語「MOTTAINAI」の原点です。

江戸の人々は、古くなった浴衣を寝間着にし、着られなくなればほどいて赤ちゃんのおむつにし、

さらには雑巾…というぐあいに最後の最後まで使い切りました。

それだけではありません。雑巾を焼いた灰は洗剤や肥料にしていたというのですから驚きです。

江戸の人は、ケチだったのでしょうか?

いいえ、当時の人々の心の根っこあったのは「感謝」の気持ち。

浴衣ならば、生地を織った人や仕立てた人に想いを馳せ、安易に捨てたりはできません。

衣類に限らず、さまざまな製品や食べ物など、作った人のことを思えば最後まで大切に使い、

捨てるのは最小限に…という気持ちが、自然にわいてきたのでしょう。

現代に生きるわたしたちも、「もったいない」という言葉に込められた先人たちの想いを肝に命じて、

感謝から生まれる あるべき「エコ」 につなげていきたいものです、ね。

 

ちなみにー

「しぐさ」は、「仕草」ではなく「思草」と書きます。

さすが江戸っ子!粋ですね。

 

 

 

 

惜花
2012.04.12

 

あたたかな陽射しがこんなにも有難いものと思えるのは、寒い時が長く続いたからでしょうか。

やわらかな風に吹かれ、さくらの花びらが舞う風景を見ていると…

これ以上の倖せはないと思うほどに、満ち足りた気持ちになります。

それはやがて、この倖せな気持ちをあの人にも届けたい…という想いとなり、胸いっぱいになるのです。

 

 

祖母は生前、「いっとう(一番)尊い心はなぁ、人さまを倖せにしたいと想うことじゃ。

そうやって生きていくとなぁ、いつのまにか人さまの倖せこそ自分の倖せ、となる」

そんな話をしてくれました。

心の持ち方一つで「人」は変わり、「環境」も変わり、「世界観」までもが変わっていく…

きっと祖母は、そうしたことを孫であるわたしに教えたかったのかもしれません。

わたしがそんな域にたどり着くには、一生をかけても叶うかどうか…

それでも日々一歩ずつ、その素晴らしい境地を目指して歩いていきたいと思います。

あっ!また風が強くなってきました。

まだ桜をみていらっしゃらない方は、どうぞ散り終わるその前に、お近くの桜の木の下に…

最期の舞いをみて、ほめてやって下さい。

    

 

 

   風に散る 命短し花なれば 愛でて惜まむ 一期一会と

 

 

 

 

 

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