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静寂の美
2014.08.28

数日前までの暑さはどこへやら・・・

この数日すっかり秋めいて、湯気の立つ温かいお茶が恋しくなってきました。


茶の湯では、釜から沸き立つ湯気の音を、松風と呼びます。

   ー室内に満ちる松風の音ー

蓋を取り、柄杓から水を注いだ瞬間、それまで沸き立っていた釜は一瞬沈黙をし、

刹那にして室内は閑寂な空気に包まれます。

その瞬間が、わたしはたまらなく好きです。

ところが、

現代はまるで、「静寂」という言の葉を失ってしまったかのよう・・・

喧騒の中に大切なものを忘れてしまった時代のように思えてなりません。

 

芭蕉が「古池や蛙とびこむ水の音」と詠んだのも、

水の音と表現しているものの、蛙が飛び込んだ後の静けさの中に、

沈黙の音・沈黙の響きというものを感じていたのではないでしょうか。


禅の言の葉にも、

「鳥鳴いて山更に幽(しずか)なり」とあります。

鳥が放つ一声が、山の静けさを一層深いものにしているように思います。

こうした仏教や禅に裏打ちされた静寂の文化・沈黙の文化は、

日本伝統文化の大きな特徴の一つであったはず。

もうすっかり過去のものとなってしまったようで寂しく感じるのは、

わたしだけでしょうか。


       



小暑(しょうちょ)
2014.07.03

そろそろ各地の梅雨も徐々に明けはじめる季節。

夏の太陽がスイッチを入れたかのようにカッと照りつけ、

30度以上になる真夏日が続くようになります。


七月といえばー

墨をすり、筆で短冊に願い事をかいた「七夕」を思い出します。

笹の葉に吊るすと、不思議に願いが叶うような気がしたものです。

ちなみに…

笹が使われるのは、さらさらと葉が触れ合う音が、

神さまを招くと信じられていたためだと言われています。

七月を「文月」としたのも、短冊に詩歌などを書き、

お習字が上達するよう願ったことに由来しています。


今年の七夕は、ちょうど「小暑」と重なります。

暑中お見舞いを出すのは、この「小暑」日を目安にするんだよと、

今は亡き祖母に教わりました。


これから来る暑い夏、

軒先に風鈴を下げたり、ヨシズで涼をとったり、打ち水をしたり…

古の人の知恵を大いに利用し、涼やかに過ごしましょうヽ(*´∀`)ノ



         





夏つばき
2014.01.01

梅雨に入るのを待っていたのように、連日の雨。。

今朝はようやく、青空が顔を出しました。


雨上がりの植物は、生き生きしています。

庭の夏椿(下の画像)も、葉にたくさんの水滴をまとい、

なんだかとっても嬉しそうヽ(*´∀`)ノ

夏椿は落葉の高木で、高さが15mほどになります。

椿と名乗るからにはツバキ科の仲間?と思いきや、そうではありません。

花が椿に似ていることから名付けられたようです。

この夏椿、

古い時代には、仏教の聖木「沙羅双樹」と誤認された樹木とも言われています。

平家物語の「・・・沙羅双樹の花の色 盛者必衰のことわりをあらわす」

これも、沙羅双樹と見間違えて、この夏椿を詠んだとか。

白い花がポトリと落ち、徐々に褐色にかわりゆく様子を、

盛者とていつかは衰えていく・・・と例えたのでしょう。


ちなみに椿は、「海石榴」とも書きます。

諸説ありますが、

その昔、海を渡り朝鮮へ持ち帰ったところ、石榴(ざくろ)にとても似ていたことから

その名がついたと言われています。

夏椿に限らず、椿は一様に花をポトリと落とします。

忌み嫌う人も少なくありませんが、わたしには桜の花とおなじように、

潔く散っていった古の日本人の姿と重なってなりません。


新緑の美しいこの季節、

雨の雫を身にまとい、木漏れ日の中でキラキラ輝く植物たちに、

逢いに出かけてみませんか?


 

         




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