ひとひらの美
2014年3月16日
春眠暁を覚えずー
朝のまどろみが、心地よくなる季節となりました。
21日の春分をさかいに、太陽は高くなり、暖かさをましてゆきます。
そうしていよいよ、桜の季節が訪れます。
日本人の桜好きは尋常ではありません。
が、意外にも昔は桜の花よりも梅が好まれていました。
とある大名が、ふとしたことから桜の美しさに気づき、
それまで見向きもされなかった桜が、一躍スターの座にのしあがります。
やがて、お花見=梅から、お花見=さくらとなり今に至っています。
つぼみのさくら、
八分咲きのさくら、
満開のさくら・・・
どれもみなそれぞれの美しさをもっています。
しかし、
はらりと水面に落ちた ひとひらの花びらの上に、
ひと粒の雫をみたときの衝撃は忘れられません。
ひとひらゆえ、
ひと粒ゆえ、
美しいのだ・・・と感じたのです。
日本人ならではの感覚であり、
これこそが侘び寂びの世界ではないでしょうか。
ひとひらの みなもに浮ぶ 花びらに
利休 芭蕉を 偲びたたずむ