百歳の乙女
2013年9月13日
百歳の詩人として有名になった、柴田トヨさん。
残念ながら既にお亡くなりになられていますが、
近々、トヨさんの一生を描いた映画が放映されるなど、
まだまだその名を轟かせています。
亡くなったところは宇都宮でしたが、出身は栃木市。
当店のどら焼きが大好物で、よく召し上がっていたようです。
トヨさんの詩は、正直「芸術的」と呼べるものではないと思います。
では、どうしてあれほど多くの方々の心に届いたのでしょうか。
それはー
百歳という年齢が、大きく関係していると思います。
同じ詩をわたしが書いても、まったく売れる詩集にはならなかったはず。
長い長い歳月を重ねてきたトヨさんの言葉だからこそ、心打たれるのです。
そして、あの少女のような まなざし、少女のような言の葉に魅せられてしまう。
-秘密-
私ね 死にたいって 思ったことが 何度もあるの
でも歌を作り始めて 多くの人に励まされ
今はもう 泣きごとはいわない
九十八歳でも 恋はするのよ
夢だって見るの 雲にだって乗りたいわ
なんというバイタリティと情熱!
最期まで愛らしく、すべてを包み込むような笑顔の人でした。
トヨさん、
わたしもあなたのように、
しなやかに、美しく、歳を重ねていけるでしょうかー