休みの日は、できる限り時間をつくって、映画を観るようにしています。
先々週の宮崎駿の「風立ちぬ」、先週の「終戦のエンペラー」に続いて、
今日観た映画は、「少年H」。
激動の昭和初期。
異国情緒あふれる神戸を舞台に、「戦争」という名の激流の渦に巻き込まれながらも、
勇気と信念と愛情をもって生き抜いた、名もなき家族の物語ー
1997年に妹尾河童の自伝的長編小説として刊行された「少年H」。
そのユーモアある文体・魅力的なエピソードは読者の心をつかみ、またたく間にベストセラーとなり、老若男女、幅広い層に世代を超えて読み継がれ、なんと!上下巻売上340万部のミリオンセラーを記録。
刊行から15年経った今でも重版を続け、その勢いは英語版・韓国版・中国版も出版されるほど。
現在、高校の試験問題に取り上げられ、中学二年の国語の教科書にも収録されるなど、
まさに国民的、世界的ベストセラー小説。
満を持しての映画化となった「少年H」。
戦争の記憶が薄れてゆく今、圧倒的なリアリティと説得力を持って、
当時の人々の日常を伝えてくれる。
舞台は戦時中の日本。
過酷な時代の中であっても、愛と笑いにあふれる家族の姿、父から子に語る言葉は、
普遍的なメッセージとして観る者の心に響きます。
大空襲に襲われ、終戦を迎えた時、街はみな見渡す限りの焼け野原。
多くに人が傷つき、失われ、生き残った人の苦悩。
今だからこそ、今だからこそ、
届けたい、観てもらいたい、感じてほしい。
あの頃の日常を覚えている人、あの頃の日常から遠く離れた世代にも・・・
そんな、映画でした。
自国の歴史を、先人の過酷な体験、そして血と汗にまみれ這い上がってきた努力。
わたしたちは、それらを知る義務があるのではないかー
3つの映画を観て、痛烈に感じたことでした。