松屋から、四季折々の情景をお伝えします。

ヨシ焼き
2013年8月5日

関東平野の真ん中、栃木、群馬、埼玉、茨城の4県にまたがる渡良瀬遊水地。
世界最大級のヨシ原が広がる湿原です。
面積は33平方キロ。東京ドーム700個分の広さで全国でも釧路湿原につぐ規模です。
ここには絶滅危惧種の植物・昆虫・鳥など、それぞれ驚くほどの種類が確認されており、
ここにしかいない、貴重なものも数多く生存しています。

 

なぜ、そのような生態が生まれるのでしょうか。
まずは、自然を愛する人々との共生で生態系が保たれていると言えます。
そして最大のポイントは、ヨシ焼きでしょう。
この地の風物詩となっているヨシ焼きは、ヨシに寄生する害虫の駆除と、
貴重な湿地環境の保全を目的とされています。
広大な敷地から立ち上る炎と煙は、圧巻です。

焼け野原から、また新しい芽がのび、やがてまた美しい風景に戻るー
人々はヨシを刈ってヨシズを作り、魚をとって食し、植物を愛で、鳥と歌う。
こうした人々と自然との共生共存こそが、失われゆく自然を食い止める最大の方法に思います。

 

ヨシ焼きをみて、芽吹くのをみて、そうしてまた元の風景をみていると・・・
戦後の焼け野原から、見事に日本再生を果たした先人たちの凄さと重なりあうのは、
わたしだけでしょうか。

 

ヨシ焼きをした直後のような被災地も、その後みごとに植物がしげる渡良瀬遊水地のように、
さまざまなものが芽吹き、生き生きとした生活をとり戻せることを、祈らずにはいられません。

 

   ヨシ焼きの灰の中から芽吹き咲く そのたくましさ愛しかりけり

 

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