松屋から、四季折々の情景をお伝えします。

涼を呼ぶ
2013年7月30日

-暑中お見舞い申し上げます-

 

独り暮らしをしている母から、時おり電話が入ります。
先日は、とりたてのキュウリとミニトマトがあるからこない?という電話。
仕事を終えて行ってみると、確かにみずみずしい野菜がありました。
誰にもらったの?と聴くと、
「あら、言わなかったかしら。わたし野菜育ててるのよ」というではありませんか!
三食の食事はもちろん、梅干やごぼう茶まで作る母ではありますが、
さすがに80歳から野菜作りをはじめるとは驚きでした。

 

母はテレビや人から聴いた「体に良いもの」を、ノートに書く習慣があります。
数冊のノートにびっしり書かれたものを見たことがありますが、
正直わたしは、そうしたことがらよりも、ふっとした時に出てくる母の言葉にハッとします。
それは、いにしえの人々から語り継がれている「生活の知恵」。
まさに的確であり、理にかなっており、いつも感心してしまいます。

 

今年も母は、軒先にヨシズと風鈴をさげました。
そしてお決まりの、渦巻き蚊取り線香。
涼やかな絵の、うちわもそえて・・・。
耳から呼び込んだ涼感は、心の奥まで沁みてきます
母の所も暑いはずなのに、なぜかしら涼しく感じてしまう。
これもまた、生活の知恵なのでしょう。

 

わたしも見習って、明日は店先に打ち水をしよう!

そんなことを想いながら、母のアパートをあとにしました。

 

    風鈴の音色響けば涼を呼ぶ 母と語らう夏のひととき

 

一覧に戻る
このページのトップへ