松屋から、四季折々の情景をお伝えします。

拈華微笑
2013年4月5日

4月8日は花祭り、お釈迦さまの誕生日です。
お釈迦さま…と、口にするだだけでとても身近に感じるのは、亡き祖母からお釈迦さまの話をたくさん聴いて育ったからでしょうか。
中でも 拈華微笑 の話は、数年まえに鮮やかに甦り、現在私の座右の銘になっています。

 

「昔むかし、お釈迦さまが大勢の弟子たちの前で法座をひらかれた。
ところがなぁ、待てどくらせどお釈迦さまはお話をなさらん。
みな不思議に思っていると、一輪の花を手にとりスーッと差し出され、にっこりと微笑まれた。
意味がわからず、し~んと静まり返ったその時、一人の弟子がにっこりと微笑み返し、
お釈迦さまの教えに応えることができたんじゃ。
世の中にはな、言葉では伝えきれんこともあるんじゃ。それが大切であればあるほど言葉にできないってことが、な。きっとお釈迦さまは、言葉にはできんが大切なことゆえ、どうかわかっておくれ…というお気持ちだったのじゃろうなぁ」

 

大勢の弟子の中でただ一人、お釈迦さまに微笑み返したのは、摩訶迦葉(まかかしょう)。
お釈迦さまは静かに語りました。

 

「悟りに導く、真実絶対なる法門がある。この法門は言葉によらず、文字によっても教えられない

微妙な法門である。この、我が真実なる法の一切を、摩訶迦葉に伝授する」

 

そうした言い伝えや、祖母の話のみならず、祖母が丹精込めて育てた花を、道行く人が求めれば
惜しげもなくそれを自らの手で摘み、差し出していた姿…そのすべてが重なった時、
わたしは深い感動で胸がいっぱいになりました。

 

言葉を並べなくも、そっと花を差しだしニッコリ微笑む。
そこから心と心の交流が生まれたなら、どんなに素敵なことだろうー
わたしはあらためてそう思い、座右の銘にしたのでした。
ですから4月8日は、お釈迦さまの教えと祖母を偲ぶことのできる、大切な日なのです。

 

   お釈迦さま その誕生を祝うとき  微笑む祖母の 姿み胸に

 

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