松屋から、四季折々の情景をお伝えします。

ふたり
2013年3月14日

書をはじめて何年が経つだろう。
良寛の書に魅せられ、貞心との深き心の交流に惹かれて…
良寛を尋ねる一人旅から帰り、わたしは迷うことなく雅号を「貞心」とした。
当時の師匠からは、「いろいろと中傷する人もいるから…」と反対されたものの、

 

わたしの決意はタダモノではない(笑)と知ると、快く了承して戴けた。
三十五年間の永きにわたり、山中独居の人として生きた良寛。
孤独と諦観の日々を生きてきた良寛の前に、運命の出逢いが訪れる。
良寛を心から尊敬し、慕う貞心。

 

二人との出逢いから、亡くなるまでの三年と三ヶ月に詠まれた二人の相聞歌には、
語り尽くせぬ 想い つまっている。
こんなにも清らかで、深い愛情と人間味に満ちあふれた相聞歌が他にあるだろうか。
貞心の素晴らしさは、良寛亡きあと少しも褪せることのない想いを、
『はちすの露』にまとめ、良寛を生涯敬い愛し続けたこと。
良寛の素晴らしさを、後世に残そうとそれのみを願って生き抜いたこと。

      ふたりは今ー
      空の上から四季を愛で、陽だまりの中 歌を詠み合っているだろう。

 

        心さへ変はらざりせば這ふ蔦の絶えず向かはむ千代も八千代も

 

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