ぜいたくなひと時
2013年2月22日
今は亡き祖母の家には、檜風呂がありました。
浴槽も、桶も、スノコも、すべて檜。
なんだか贅沢な家と勘違いされそうですが、さにあらず。
普段の生活は、殊のほか質素でした。
ただ、祖母には メリハリ がありましたね。
人間はまず、健やかであることー それが祖母の口癖でしたから、
そのために必要なものには惜しみなくお金を使いました。
例えば睡眠時間は、一日の約三分の一を占めるもの故、布団は良いものを。
檜風呂も、一日の疲れを癒してくれるものだからのぅ…と。
また、本物の味をキチンと知った上で、質素な食べ物も文句を言わずに食し、
普段着はボロでも良いが、人さまの晴れの日の席やお悔やみの席に使用する服は、
上等なものを着る、それは心遣いの問題じゃなぁ、とも。
ひとつ心残りは、祖母の愛した霊峰富士を眺めながらの露天風呂の醍醐味を、
とうとう味あわせてあげられなかったこと。
せめてこのブログから、祖母に向け、皆さんに向けて発信し、
愉しんで戴けたらと思います。
檜の湯 霊峰富士を眺むれば 湯気のむこうに浮かぶおもかげ