銀モクセイ
2012年10月4日

庭に咲いた銀モクセイ。
花の香りを初秋の風にのせ、道行く人たちを優しく包んでいます。

 

金モクセイは、色が濃いオレンジの花をつけ強い香を放ちますが、
銀モクセイは、白に近い薄い色で可憐な香りをそっと放ちます。
風が強い日は、樹の下一面がまさに「花のじゅうたん」となり、美しいものです。

 

しかしー
良いことばかりではありません。
これでもか、と思うほど葉が落ち、日に何度もはかなくてはなりませんし、
翌日には茶色い色と化す花のじゅうたんを掃きとるのも、根気のいる掃除です。
あまりの大変さに、何度切ってしまおうか…と思ったことか。
でも、こうして花の咲く季節になり、道行く人たちの「うわ~いい香り!」という声を聴くと、
そんな気持ちはすっかり陰をひそめ、にこにこしてしまうのです。

 

考えてみれば、この大きな樹ー
長いながい間、この家を、代々の家族を、そして数え切れない道行く多くの人々を…
見守り続けてきてくれた樹なのです。
大切にしなければ、バチがあたりますね。

 

落ち葉だって、好きで落ちてくるわけじゃなし…
新しい葉っぱに、次の命をたくして「ゆずり葉」となり我が身を捨てているー
そう思ったら、いじらしくさえなってきます。

ウスギモクセイ?

 

     はんなりと 香り放つや銀モクセイ 道ゆく人の笑に揺れたり

 

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